有峰湖周辺(富山) 熊尾山(1525m) 2018年5月12日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:21 水須ゲート−−5:07 小口川第二発電所入口−−5:10 小口川第二発電所(巡視路入口)−−5:46 索道(鉄道跡起点)−−5:59 送電鉄塔−−5:09 資材運搬用鉄道起点 6:11−−6:38 小口川第三発電所(鉄道終点)−−7:40 標高1150m付近mで休憩 7:55−−8:34 調圧水槽分岐(巻道起点)−−8:42 斜面取付−−8:49 主稜線−−9:25 熊尾山(休憩) 10:44−−11:06 1390m鞍部−−11:08 巡視路−−11:17 送水鉄管−−11:52 小口川第三発電所−−12:19 資材運搬用鉄道起点−−12:32 送電鉄塔−−12:43 索道(鉄道跡起点)−−12:59 小口川第二発電所−−13:02 有峰林道−−13:39 水須ゲート

場所富山県富山市(旧大山町)
年月日2018年5月12日 日帰り
天候晴後曇
山行種類残雪期末期の籔山
交通手段マイカー
駐車場有峰林小口川線水須ゲートに駐車場あり
登山道の有無無し
籔の有無稜線上は強烈な灌木藪で無雪期は厳しい。稜線に達するまでは薄い笹藪で無雪期でもOK
危険個所の有無無し
冬装備アイゼン、ピッケルを持参したが登場機会無し
山頂の展望藪の中で展望無し
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメントここでは日本山名事典に従い熊尾山山頂は1518.5m三角点肩ではなくその南方の1525m峰とした。水須ゲートから小口川第二発電所、小口川第三発電所を経由して往復。地形図には発電所間及び送水鉄管沿いに破線が描かれているが実際に鉄道跡や最近まで現役の鉄道、刈り払われた広い巡視路等の藪漕ぎとは無縁なルートが存在した。藪漕ぎは1419m峰南側鞍部で主稜線に乗ってからで、標高1500m付近で残雪が途切れて東を巻いたが谷に出るまで藪漕ぎが続く。谷から山頂直下まで雪が使えたがその後は短距離ながら五葉松、イヌツゲ?、石楠花、シラビソなどの低灌木群の猛烈な灌木藪で完全無雪期は相当な覚悟が必要。遠めに見て同様の藪が続くと思われるため三角点には立ち寄らなかった


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水須ゲートの駐車場 水須ゲート。当然ながら未開通
小口川第一トンネル 小口川ダム
小口川第二トンネル 有峰第二発電所
小口川第三トンネル 巡視路入口
分岐で右へ 立派な橋で小口川を渡る
小口川第二発電所 発電所手前で右の巡視路に入る
索道あり 導水管に沿って階段あり(帰りに利用)
往路はジグザグの巡視路を登った 導水管最上部が見えた
水平道に出る(標高750m) 雪囲いされた小型重機
水平道起点は索道 水平道のレール。かなり細い
レール拡大 送電鉄塔が現れると現役の轍が登場
送電鉄塔 大きな沢を越えた先の尾根乗越から先はレールあり
北側から見た雪囲いされた気動車 なんとジープ改造車が気動車だった
キャビンは車そのもの でも車輪はレール用
南側から見た雪囲いされた気動車 すぐ先が崩壊、車両は通行不可
待避線あり あちこちに横坑入口あり
横坑入口の案内 小口川第三発電所
発電所手前のヘリポート?(レールあり) ダム
レールは発電所内へ 発電所が終着駅
巡視路は階段の先 巡視路入口
巡視路入口の祠 送水鉄管(帰路はこの階段を下ってきた)
往路は巡視路を登った(標高880m) 1150m付近mで休憩
標高1200m付近から断続的に残雪登場 標高1320m
標高1350m。完璧な刈り払い 東に連休前半に登った鉢伏山
水平道に出た 所々に雪があるが大半は無雪
レールは無いが昔はあったのでは? ここから斜面に取り付く
意外に藪は薄い 1410mで稜線に乗る
しばし残雪が使えた かろうじて雪が繋がっている
カモシカの足跡 できるだけ雪を伝って尾根東側へ
でも雪は続かず藪に突入 小さな谷で雪を発見
谷に降りて雪にありつく。やっぱ雪は楽だ でも尾根直上は雪が無い
高密度の低灌木藪で一向に進まない GPSが示した熊尾山最高点
最高点の北側直下から見た東側。ここで休憩。僅かに新雪が積もっていた
薬師岳は大型連休よりも白くなっていた 三角点は激藪の中なので訪問は断念
帰りも往路を辿る できるだけ灌木を避けて笹薮を進む
残雪に乗ってほっとする 奥のピークは1419m峰。雪は無い
稜線西側から山頂を見ている。こっちの方が藪が短かったかも 1390m鞍部
1390m鞍部から東へ下る 水平道到着。でもゲートまで長い道のり
下ってきた谷筋 水平道突き当りが導水管最上部
帰りは鉄管横の階段を下った(膝にきた) 小口川第三発電所
改造ジープ格納庫 距離ポスト
索道手前から巡視路を下る 林道到着
有峰林道に乗る 蛇もお目覚め
ダム堰堤に車が入っていた 第二トンネルには照明が点灯していた
堰堤上の車が戻ってきた ゲートはオープンされ有人で車止めのロープを開閉


・大型連休前半は有峰湖北部の山に残雪を利用して登ったが、近くの熊尾山が残ってしまった。ここは東笠山に登った時に余裕があれば足を延ばそうと考えていたが、飛騨側から長い林道歩きで時間的、体力的に厳しくて登ることができなかった山。
・地形図を見ると東山腹に破線が描かれており、衛星写真でも要所に資材置場のようなものが映っており、おそらく本当に道があると予想された。よって、一番楽をするなら有峰林道小口川線が通行可能な時期に祐延ダムから破線に入って北上し、山頂が近づいたところで藪の斜面を登って山頂を踏むのが最も効率的なルートと考えられた。これなら藪漕ぎは最低限の距離で済むが藪の濃さは不明。ただし経験からして急斜面はそれほど藪は濃くないので、山頂真東から攻めると意外に行ける可能性がある。
・でもやっぱり残雪が利用できれば藪の心配をしなくて済むので安心。ただし林道は未開通なので水須ゲートから歩くしかない。今年は春の気温が史上最高だったため雪解けが早く、もう雪がどれほど残っているのか不安は大きいが、水須からだと山頂付近は北向き尾根で標高が高く傾斜が緩やかで雪が遅くまで残る条件が揃っている。最後の最後だけは残雪がまだ使えると期待したい。
・ルートは林道を小口川第二発電所まで歩き、その先は発電用導水管沿いの破線を登って標高750mを延々とトラバースするように付いている破線を歩いて小口川第三発電所に至り、これまた発電用導水管沿いの破線を登って標高1370mを延々とトラバースするように付いている破線を歩いて1419m峰南側鞍部に登って稜線に至り、あとは山頂まで稜線上を歩く計画だ。すべては道を離れて以降の残雪の状況にかかっている。
・木曜〜金曜は徹夜で仕事をして寝不足だが金曜に出発、土曜日に実行した。何せ天気予報では日曜は雨なので土曜日に登るしかない。連休に走った道なので迷うことなく水須ゲート前に到着。ここにも駐車場あり。当然ながら車は皆無。
・翌朝、まだ薄暗い時刻に出発。今日は晴れて気温がかなり上がる予想で、できるだけ早い時間帯に高度を上げて暑さを避けたいところ。しかし出発時は気温10℃くらいで寒さを感じるほど。先週の山行後の選択で毛糸の帽子とネックウォーマーを自宅に干しっぱなしなのを忘れてしまい、今回は首から上の防寒装備がおろそかに。このままだと片頭痛の発作が出る可能性が高く、代用品としてタオルをバンダナのように頭に巻き付けて毛糸の帽子替わりにしたが、なかかなか使える装備だった。
・この付近では林道も周囲の斜面にも雪は皆無。山頂付近はここから見ることはできないので残雪がまだあるかは不明。まあ、林道に雪がないのは歩きやすいので大助かりだが。途中のトンネルではヘッドライトを点灯して歩く。ここもトンネル内は冬季は抜き取った標識等の置場になっていた。
・1時間も歩かないうちに小口川第二発電所分岐に到着。こちらも舗装道路で立派な橋で小口川を渡ると対岸に立派な巡視路入口あり。案内標識は無いが地形図の破線に違いない。第一級の登山道と変わらないほどの道幅と整備状況で、これほど状態がいい道とは予想できなかった。
・巡視路は発電用送水管の巡視路だと思っていたが送水管沿いではなく斜面をジグザグに登っていく。後で分かったことだが送水管巡視路はこの道とは別に送水管のすぐ脇に延々と階段が続いているのがそうだった。帰りはこちらを下った。
・送水管上端近くで送水管を越えて東側斜面に移り、すぐに標高750m付近の水平道に合流する。合流点には雪囲いされた小型重機あり。右に行くと索道で発電所の対岸にある有峰林道の路側が起点となっているようだ。
・水平道は林道のような広い道で藪も皆無で現役で使われていると思われた。おそらく小口川第三発電所の荷揚げ用だろう。小口川第三発電所は有峰林道からかなり離れた場所にあるので車で荷物を持ち込んだり人を送り込むことは不可能なので、この索道を起点としているのだろう。
・水平道はよく見ると砂の中に細いレールが埋もれているのが分かった。昔は森林鉄道が通っていたようだ。これもおそらく小口川第三発電所建設用だろう。レールの細さからしてかなり小さな機関車だったのだろう。下界の鉄道用レールの半分にも満たないような幅だった。
・水平道は大きく崩れた箇所は無く、落石や倒木をどかせば車の通行は可能なレベルだった。もちろん歩く分には全く問題なし。
・送電鉄塔が現れると明瞭な轍が登場。この先は確実に最近まで車が走行していたに違いない。
・次の大きな尾根の張り出しで道幅が広がり森林鉄道の駅があったような雰囲気に。資材を格納した物置あり。尾根を回り込むと道を塞ぐように丸太で組まれた構造物あり。右側(山側)に梯子がかかっているのでそれで「2階」に登り、反対側は下る場所がないのでものに掴まりながら強引に下りて構造物を抜けると、明らかに現役と思われるレールが伸びていた。ただしすぐ先でがけ崩れがあったようで枕木が外されて路床が掘り返されてブルーシートがかけられていた。この補修が終わるまでは運休だろう。
・構造物を通り抜けたのと反対側(谷川)の1階部分には入口のような隙間があり、中に入ると機関車があった。この建物は車庫だったのだ。ずいぶん小さな機関車だなぁと思ってよく見ると側面には「JEEP」の文字が。なんと自動車を改造してレール上を走行できるようにしていたのだった。JEEPの運転席は見たことはないが、ミッションは低速/高速切り替えとと2WD/4WD切り替えもあり、明らかにオフロード車のもの。トリップメータは約8000kmだったので、まだまだ現役の範疇だろう。
・この先はレールの間を歩く。落石等の様子から使用されていない期間はせいぜい数年程度と思われ、レールにはほとんど錆は見られなかった。枕木を交換した形跡があちこちにあり、メンテナンスはしっかりとなされているようだった。
・レールの終点が小口川第三発電所だった。発電所手前の上部に大きな建物があり、その下部のレール横には広い範囲で鉄板が敷き詰められており、おそらくヘリポートだろう。その上にレールの支線が固定されており、ヘリから降ろした荷物を鉄道に載せ替えられるようになっていた。なお、鉄板とレールの固定には枕木は使われていなかった。
・発電所横から再び巡視路に変わって登りが始まる。地形図では沢の左岸側から破線が始まっているが、実際には右岸側から始まっているので途中で沢を渡る必要はない。発電所で沢を渡ってしまう。
・この巡視路も広く立派な刈り払いされた道。案内標識があれば1級の登山道だろう。途中で送水管を越えて東斜面に移ってジグザグに登っていく。標高1150m付近のカーブで休憩。ブナの木陰が涼しい。この高さでも眼下の険しい沢筋以外はほとんど残雪無し。
・標高1200mを越えるとやっと残雪が現れるようになるが、斜面をジグザグに切る巡視路上に雪があると雪の斜面をトラバースすることになるので逆に面倒だ。この時期の雪は締まって固いが日中の気温が上がるのでキックステップが効くためアイゼンは不要だった。
・このまま残雪の斜面をまっすぐ登って尾根経由で山頂を目指そうかとも思ったが、このまま山頂まで雪が続く保証はないので素直に巡視路を歩くことにした。巡視路は標高1370mで水平道に変わり、右は送水鉄管、左は祐延ダム方面に続く。ここも昔は線路があったのではないかと思わせるような広い道幅であった。
・稜線の東斜面なら雪が豊富に残っていると期待したが大外れで、巡視路に雪が残っていても見上げる斜面にはほとんど雪がない。これだとできるだけ水平道で山頂近くまで行った方が良さそうだが、地形図を見ると山頂の真東はかなり等高線が密集して危険地帯の予感が。ここは1419m峰南側の1390m鞍部直下まで水平道を進み、最短距離で鞍部に上がってその後は稜線上を行くのが良さそうだと判断。鞍部から山頂までは傾斜の緩やかな幅広の北向き尾根が続くので、雪が残っている確率は高いと見た。
・水平道から鞍部までの斜面は予想外に藪は薄く、背の高いブナ林に薄い笹が中心。もっと笹が茂っているかと思ったが大助かりだ。ただし残雪はやはり見られないままでちょっと不安になる。
・僅かな距離で鞍部に到着。1419m峰に続く南尾根にはほとんど雪は残っていないが、熊尾山山頂に続く北尾根には雪がつながっているのが見えた。山頂までずっとこの調子かどうかは不明だが、当面は藪の心配はなさそうだ。
・一部雪解けが進んで灌木藪が出かかった場所もあったが西側に迂回気味に進んで完全な藪漕ぎには至らず。
・しかし尾根幅が狭まる標高1490m付近で尾根上の残雪が消えてしまう。左右どちらから巻くか思案のしどころだが、右(西斜面)は傾斜がきつそうで落葉樹中心の横に寝た灌木藪がひどそう。一方、左(東)は傾斜が緩やかで迂回するのはちょうど良さそうな感じで雪は少し先まで続いていた。植生は西斜面とは違ってネズコやイヌツゲのような低常緑樹と根曲竹。カモシカの足跡も続いているのでこちらから迂回することにした。
・少しでも雪が残っている区間はよかったが、全く雪がなくなると強固な藪に突入。根曲竹は何とかなるレベルの密度だが横に寝た灌木が厄介。できるだけ木を避けて根曲竹オンリーの場所をつなげていく。ここは尾根の東側の緩斜面なので通常なら遅くまで雪が残っていて良さそうな場所だが、周囲には雪は全く見えない。斜度が増してきたところで藪の抵抗に負けて標高を徐々に落として重力の助けを借りつつ藪をかき分ける。幸い、若干硬度が落ちると根曲竹から笹に変わり、低灌木が減ってやや背の高い樹林に変わって格段に歩きやすくなった。
・斜面を巻き続けると先に雪が詰まった小さな谷が見え、山頂直下まで続いている様子も見えた。笹の中を進んで狭い谷に出て残雪にありつくと藪から解放されて快適! 急な雪面を稜線へと登り返す。アイゼンを出すほどの傾斜、雪質ではないのでキックステップでクリアする。
・雪渓を登りきると再び尾根上に出るが、最高点ではなくやや北側手前らしい。しかし残念ながら雪はここまでで、この先はネズコ、シャクナゲ、イヌツゲ?、シラビソ等の低灌木藪地獄。GPSの残距離表示を頼りに藪に突っ込んで南下、10m進むのにも骨が折れる。やはりここに楽に登るなら無雪期よりも大型連休までの残雪期が得策だろう。
・山頂一帯は明瞭なピークは無く南北に長い平坦地、GPSの残距離がほぼゼロになった地点も特に周囲より高いわけでもなく、目印等の人工物もなかった。灌木に覆われて展望は悪い。
・こんな藪の中で休憩するのはごめんなので、北に戻って雪の上で休憩。ここから三角点のある肩が見えるが植生は先ほどまで漕いだ藪と同じ。行くのに相当苦労しそうだし、三角点は最高点にはないので今回は割愛した。
・雪の上にザックを置いてひっくり返ってラジオを聴きながら休憩していたが、10時半くらいに緊急地震速報が流れた。対象地域は長野県で、もしかしたらここも揺れるかと思って注意していたが横になって安静にしていても揺れは全く感じられなかった。その後の情報で震源は長野県北部で大町市、小川村、信州新町(現長野市)で震度5弱とのこと。私も長野市に住んでいるが予想される震源とはやや離れた場所なので、おそらく私の住まいでは震度4くらいだっただろう。ちなみに自宅に戻って室内を確認したが、地震で落下したものは無かった。
・下山はほぼ往路を戻ったが、小口川第三発電所の水圧鉄管のすぐ脇の階段を利用。傾斜は急だが最短距離で下れる。ここも雪は無かった。
・帰りには小口川ダム堰堤上に車を発見。関係車両はこの時期でも通行できるようだ。その関係か、小口川第二トンネルは照明が点灯していた。ここは長いトンネルでヘッドライトが必要だったので助かった。
・もう少しでゲートに到着という所で先ほどの工事車両が追い越して下っていった、ゲートの鍵を持っているのかと思いきや、何とゲートはオープン状態で、代わりに車止めのロープが道を横断していた。これならロープを外せば一般車でも入れるじゃないかと思ったら、ゲートの料金徴収小屋に人が入っていてロープの上げ下ろしをしていた。これも工事関係者? それとも有料林道の管理者?
・駐車場には私の車だけ。日陰に移動してから着替えてしばし昼寝してから買い物に向かった。

 

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